受講生・修了生のストーリー

ベーカリーカフェの開業

児島 佳史さん

丹波篠山市東部に位置する日置地区にて、ベーカリーカフェの開業を果たした。

現在の活動とこれまでの足どり

丹波篠山市の中心に位置する日置地区で、「HIkoOKI」というパン屋を営む。大学を卒業後、大手ベーカリーに入社し、神戸の店舗で2年ほど修行した後、東京の本社で営業や事務を経験。大学時代の友人が丹波篠山市で地域おこし協力隊として活動していたことから制度を知り、退職して地域おこし協力隊に。半年間の準備期間を経て、2019年11月に店をオープンした。

イノベーターズスクールに入学したきっかけ

地域おこし協力隊として移住し、「パン屋やるぞ!」と意気込んではいたものの、一からの起業、ビジネス経験はなく、知り合いもいない。ビジネスをするうえで人脈は欠かせないだろうと、協力隊就任と同時にスクールに入学した。

イノベーターズスクールで得たもの

篠山で活動したい、地域の役に立ちたい、という想いを持った方々との出会いは刺激になった。特に、現在一緒にお店に立っている林氏とは、スクールの講座で出会った。「お互いのビジネスプランを発表し合う場で、やりたいことが近いことが分かって…一緒にやりませんかと声をかけました。」修了後も、スクールとのつながりが貴重な情報源となった。2020年2月に開催された「農村ビジネスアワード」は、一般に開かれた会であったが、スクール卒業生にはメーリングリストで案内された。ちょうど店をオープンして3カ月経った頃で、知名度アップにつながればとエントリーを決めた。「改めて自分がやりたいことを整理するきっかけにもなったし、受賞は自信にもつながりました。」そう、見事HIkoOKI(児島・林ペア)は大賞に選ばれたのである!その後も、新聞やテレビなど、数々のメディアの取材を受け、市内・市外ともに知名度が向上している。

丹波篠山で起業すること

地域おこし協力隊や助成金などの制度、イノベーターズスクールの存在、競合店舗が少ないことや都会からのアクセスなどを考えると、篠山で起業したことは大いにメリットに感じているという。「地域の方々が最初からずっと応援してくださっていて、励みになっています。」小学生を対象にしたパン教室や、市内のお蕎麦屋さんとのコラボ商品など、お客さんとのコミュニケーションから新たな活動が生まれている。「地域では、ちょっと変わったことをしていると注目される。地域の資源を活かしながら、篠山の良さをPRできれば」と語る。

今後の展望

2022年3月には、今のお店から歩いて5分ほどのところに移転する。古民家を改修した店舗で、「その場所に立って、自分が働いている姿を想像して、楽しそうだなと思ったので決めました。」そちらが軌道に乗れば、2号店のオープン、市内・市外への店舗展開へと夢は広がる。新卒でベーカリーに入社する前、このまま就職するのはもったいないと、人事に掛け合って入社を半年間遅らせ、私費でフランスに留学した。「老後はフランスでのんびりやりたい。日本のパンが通用するのかとか、山の芋食パンがフランスで流行ったらおもしろいなーとか思ってます」静かな語り口調の中に、心のはずみが垣間見える。

インタビュアーあとがき

15時ごろお伺いしたときには、たくさんのパンが陳列されていたのに、インタビューをさせていただいている間にみるみる売れてしまった。お仕事中の方、高校生、お母さん、おじいちゃん、幅広い年代の方が来られ、パンを選び、店主との会話を楽しんでいく。パンのおいしさはもちろん、彼の雰囲気に惹かれて来店する人も少なくないだろう。地域に愛され、世界に伸びる、今後の展開が楽しみである。




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2024.3.30 SAT
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